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HOME特集>ビーチバレーインタビュー1 浦田聖子 

特集 JBVツアー開幕!!

 
  今季、ベテランの楠原千秋とペアを組み、ロンドンへの一歩を踏み出した浦田聖子。楠原の持つ『経験』を継承するために臨んだシーズンは、ワールドツアー日本大会で強豪の中国を撃破するなど、順調な滑り出しを見せた。
  しかし、前半戦を終えた7月中旬、激しい胸の痛みが浦田を襲った。それ以降、思うように動かない体と、止まない痛みを引きずり、浦田は何度もコートに立った。

極限に追い込まれた出来事

  
──ロンドン五輪を目指すことになった一年目を振り返ってみていかがですか?
「千秋さんからいろいろ学んで、自分の能力を伸ばしていきたいという目標を掲げたシーズンでしたが、7月頃に胸部を痛めたことで、体のことを真剣に考えられるいい機会になりました。今までは体に痛みがあっても、勢いだけでしのいでいた部分があったんですね。でも、体の健康とバランスを保たないことには、いいパフォーマンスを発揮できないんだと、教訓になりました」


──今まで大きなケガはなかったのですか?
「捻挫くらいですね。だけど、その捻挫が積み重なって持病になってしまったんですけど、絶対に手術しなければいけないというものではない。今回は、痛みで夜も眠れないし、こんなに精神的にきつかったのは初めてでした」


──そんな状態で試合をこなされていて、相当不安に駆られたのでは?
「いろんなことを勉強していきたいといった矢先にこうなったから、千秋さんに申し訳ないし、動けない自分に腹が立ちましたよね」


──痛みをこらえながらも、今年のテーマの一つだった世界仕様の新しい攻撃のフォームは実践できましたか?
「それどころじゃなかったですね。トレーニングもできないし、ただ試合をこなすしかない。だけど、それさえも、満足にできなかったですよね。実は、先ほどお話した足首についても、手術をするべきか、しないべきか、今後どんなカタチで負担をかけないようにするか、いろいろ考えていたところだったんです。結果的には、足首の負担を減らす体の使い方を身に付けていこうと決断した頃に、胸の痛みが発生して…。
本当に今回は極限まで追い込まれましたね。でも、自分はどこまでいったらダメになるか、というマックスを知ることも大事だと思うんです。それに気付かなかったから、また同じことを繰り返してしまうかもしれない。これをプラスにするのもマイナスにするのも自分次第ですね」


──逆に考えると、この時期でよかったですね。
「来年、再来年になっていたら、間に合わないしアウトですからね。本当にこの状況でも一緒に戦ってくれた千秋さんに感謝しています。チームが始動したときも開幕まで1ヵ月なかった状態で、試合が始まっても松山と東京でなかなか一緒に練習できない。さらに私の体が動けないというたくさん課題があるなかで、どれを一番にクリアすれば試合に勝てるか、ということを考えて取り組むしかなかったですね。お互い試合に出るからには、当然勝ちたいという気持ちもあったんですけど、全部の課題をやっても間に合わないし、どれを埋めれば一番いいのか、ということを最優先しました」

                            撮影/松永和章(Agence SHOT) 

強くなってコートに戻ってやろう

 
──最後の大会となったふくいカップは4位。試合後のインタビューのときに浦田さんが「パートナーが狙われたときにサポートすることが課題」と言われた後、楠原さんが「それがわかっていれば、一年間組んできた意味がある」とおっしゃっていました。そのあたりも今後の課題に挙げられますか?
「私自身、佐伯(美香)さんと組んでいた頃は、レベルが低くて自分のことで精一杯でした。でも、当時、転向したばかりで経験の浅かったヒロ(鈴木洋美)さんと組んでみて、経験のある人の気持ちが初めてわかったんです。そのあと、千秋さんと組ませてもらったんで、相手のことも考えられる余裕もあったし、千秋さん自身に以前の私と違うところも見てほしかった。だけど福井では、千秋さんが狙われて、お互いが助け合うということができなかったから、負けてしまったんだと思います」


──自分の体も痛くて、パートナーをサポートしなければいけない、というのは、やはり難しいですよね。
「体が痛いからといって、決して相手のことを考えていないわけではないし、できていないときでも助けるつもりでやっていました。でも、自分は助けているつもりでも、時を重ねて成長した自分からみたら、『あんなことがしかできなかったんだ』ってきっと気付かされると思います」


──まだまだこれから経験を積んでいく上で伸びしろがあると?
「ないと感じたら、やめてます。変われるところがあると思っているので、そう感じたらプレーできないですね。この場を恥ずかしくてとっくに去っていますよ。チームに迷惑をかけたのに、個人的な意見で本当に申し訳ないんですけど、逆に体を壊してみて、強くなってコートに戻ってやろうという気持ちになりましたね。ロンドン五輪という目標がある以上、ここで終わるわけにはいかないと。体はしんどかったけれど、それが余計やる気につながったというか、自分自身に『見てろよ、私の体』と唱えてきました」


──それでは、来季は『強い浦田聖子』がお目見えすると。
「どんな選手でも何かしら壁があって、それを乗り越えられるか、乗り越えられないかの差だと思うんです。私自身、大切なことに気づいたけれど、これを競技に活かせなかったら、意味がありませんね。今回のことは、違う見方をすれば、未然に防げたかもしれなかった。そうなった原因をしっかり受け止めて、初心を忘れずにがんばっていきたいと思います」

                            撮影/松永和章(Agence SHOT)
   シーズン中、過密スケジュールのため、精密検査を受けれなかった浦田は、シーズン終了後、ようやく精密検査を受けた。その結果、悩まされてきた胸痛の原因も判明し、みるみるうちに快方へ向かったという。
    11月中旬には、少しずつ体を動かし始め、もともと期限つきでペアを結成した楠原とのペア解消を発表した。心身ともに復活した浦田のエネルギーは、ロンドンへの道のりを一緒に歩いていくことになる新しいパートナーに注がれることになる。

                            撮影/松永和章(Agence SHOT) 

PROFILE うらた さとこ
1980年12月22日生まれ。29歳。佐賀県出身。
身長175cm。共栄学園高出身。MDI所属。


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