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特集 ニューペア情報


 2010年、新しいシーズンの幕開けである。現在ビーチバレー界は、国内外ともにオフ期間中。きたる開幕戦に向けて、各選手たちは真冬のビーチでトレーニングに励んでいる。
 この時期に注目されるのは、昨季に引き続き、ペアは続行するのか? はたまたペアを解消するのか? 解消する場合、新しいパートナーは誰なのか? ということである。今回の特集では、続々と誕生している女子のニューペアについて触れていきたい。


 ロンドン五輪に向け、新たな時代の幕開けとなった2009シーズンは、田中姿子・鈴木洋美ペア、楠原千秋・浦田聖子ペア、尾崎睦・草野歩ペア、西堀健実・浅尾美和ペアの4チームが、国内大会で常に優勝争いを繰り広げてきた。  
 しかし、国内大会、ワールドツアーの日程を終えた11月中旬頃、すべてのチームがペア解散を発表した。各選手たちは、これまでのチームの反省点を洗い出し、今後の可能性を探る最良の選択肢として解散を決断。そして、ロンドン五輪という目標に向かって一緒に走ることのできる新しいパートナーを探すこととなった。  

年の差15歳の田中・溝江ペア


  一番初めに身を固めたのは、トップ選手の中で最年長の田中だった。11月26日に自身のブログで鈴木とペアを解消したこと、新たに産業能率大学1年の溝江明香とペアを組むことを公表した。
「ヒロ(鈴木の愛称)から引退したいという気持ちを聞いて、説得することも考えました。でも、そこで思い直して今季挑んだとしても、また気持ちが変わるかもしれない。再来年から五輪予選も始まるので、それだと手遅れになると思ったので、気持ちを切り替えました」(田中)。
  そこで田中が声をかけたのは、年の差15歳の溝江だった。その一番の理由は、溝江が持つ『若さ』と『可能性』だったという。
「中国やオランダなどの強豪チームは10代後半からワールドツアーに参戦しているけど、日本では考えられない。でも、明香はユニバの国際大会を含めてある程度世界を経験しているし、ブロッカーとして高さもある」(田中) 。


   田中からオファーを受けた溝江は、「姿子さんは試合でも対戦したことがないくらい手の届かない存在だったので、声をかけてもらって驚きました。だけど、姿子さんは『ライトで左利き』だし、以前からペアを組みたいという願望はあったので、うれしかったですね」と結成に向けて意志を固めた。
  溝江は、高校チャンピオンに輝いて以降、ビーチバレーの世界に飛び込み、大学では1年生ながら準優勝に上り詰めた。常にエリート街道を歩んできたが、ベテランの田中と練習するようになってからは、これまでとは全く次元の違う、未知の世界に足を踏み入れたという。
「姿子さんから、勝つためのゲームメイク、技術的なことを教えてもらっても、要求が高いので教えてもらったことができたことは、ほとんどありません(笑)。それでも今重点的に取り組んでいるパスやトス、ブロックにしても、少しずつ精度を上げていきたいですね」(溝江)。
   産業能率大学の女子ビーチバレー部監督を務める川合庶氏は、国内にとどまらず「今季は学業と平行にワールドツアー転戦も視野に入れている」と話す。 ベテラン・田中の下、将来を嘱望される未完の大器が、さらなる進化を果たすか、注目である。

                            未完の大器として期待される溝江   

足りないところを補う浅尾・草野ペア

   12月9日にペア結成を発表したのは、浅尾と草野、尾崎と金田洋世の同年代ペアだ。
 浅尾と草野は、お互いのペア(西堀・浅尾ペア、尾崎・草野ペア)が解散することはないと思いこんでいたが、解散が決まってから、「ロンドンへの想いを伝えていくうちに、『一緒にやろう!』と言う雰囲気になった」(浅尾)と密に関係を深めていったという。
  ペア結成の決め手になったのは、浅尾が持っていない『パワー』、草野が持っていない『高さ』と『スピード』を、持ち合わせているところ。
  草野は、「お互いの一番いいところをどのチームにも負けないよう試合を運んでいければ、日本では負けないようになると思う」と胸を張る。
  コーチには、これまで合宿などでアシスタントコーチを務めてきた渥美義弘氏が就任。1月26日からサイパンに渡り、1ヵ月間の強化合宿に取り組んでいる。


 2010年始動の日に富士山に向かって、スタッフと一緒に祈願する浅尾と草野

本格的始動の尾崎・金田ペア

  一方、尾崎・金田ペアは、尾崎が金田にラブコールを送り、ペア結成に至ったという。
「皆がパートナー探しに動いている間、私はインフルエンザにかかって寝込んでいたので、寝込んでいる場合じゃないと思って、あせりました(笑)。私にとっては新しいパートナーはダイヤモンドの原石。私が一番苦手なブロックもジャンプ力があってネットから手が出ているし、フェイクも上手い。どうやってジャンプしているのか、教えてもらいたいし、見習いたい」。
  金田は、2009シーズンから引き続き、上越マリンブリーズに所属しながら、今年2月から神奈川県平塚市に移住し、選手活動に専念。本格的にロンドン五輪出場を目指し、始動することになった。


ベテランの域に達する浦田・西堀ペア

  これら3チームに出遅れること1ヶ月。1月8日にペア結成を発表したのは、浦田・西堀ペアだ。
  浦田は、2009シーズンもっとも成長した選手に西堀の名前を挙げ、「ブロッカーとして頼りになる選手」と評した。西堀も「同じ気持ちでロンドンを目指せる」と話しており、ともにロンドン五輪への道のりを歩いていくことを決断した。
  1月9日から2週間に渡って、長崎県佐世保市で他競技のトップアスリートとともに合同トレーニングを行い、2月からはコーチには桐原勇人氏のもと、ボール練習に取り組んでいる。
  この チームの特徴は、浦田が現在29歳、西堀が一つ下の28歳とあり、そろそろベテランの域に突入するところだ。
  浦田自身も、「私たち2人は選手の中でも経験がある部類に入ると思うので、さらに成長するためには、新しいことに挑戦していかないと伸びしろはない」と覚悟を持って挑む。

                       ペア結成会見で決意表明する西堀と浦田

『結成ラッシュ』となった今季

  これら4チームだけではなく、今季は続々とニューペアが誕生し、『結成ラッシュ』を迎えた。


  昨年、転向一年目で注目を浴びた菅山かおるは、昨年末から浦田景子とペアを結成。現在は、アメリカ・ロサンゼルスで強化合宿中だ。  


  2009シーズン終了後、第一線を退くことを公言していた楠原は、国内戦のみ現役続行を決め、新たに三木庸子とペアを結成することを自身のブログで発表した。
  唯一のオリンピアン・楠原が第一線を退くといっても、楠原と三木が持っているJBVツアーポイントを換算すると、全大会の出場権を保有できる可能性は非常に高い。 「今までと違って、練習量やトレーニング量も落ちるけど、若手チームは、きっと私と対戦するのは嫌だろうなと思う」(楠原)と語るように、存在感を発揮することは間違いないだろう。

  
  昨季アマチュNO.1チームになった山田寿子・保立沙織ペアは、昨季をもって解散。山田は、幅口絵里香と組み、保立は若手の松山紘子と新ペアを結成する。


  また昨年はベテランの小泉栄子と組み、成長ぶりを見せた周藤玲美は、今季から浅尾が所属するエスワンに入団。今季は、上越マリンブリーズの村上めぐみとペアを結成し挑むこととなる。


 まっさらな状態から、一から『チーム』を作り上げていくことになる各ペアたち。今季の勢力図はどのように塗り替えられるのか、注目したい。



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